◆S46. 2.23 東京地裁 昭和36(行)85 所得税更正処分取消請求事件(2)◇
よる約定遅延損害金債権を有していたが、いずれも現実に支払いを受けたことはなかつたので、原告が法律上同会社に請求しうる金額は、利息制限法所定の範囲内たる右(イ)にあつては年三割六分の一〇万八、〇〇〇円、右(ロ)にあつては年三割の四六万七、六八五円、計五七万五、六八五円にすぎないばかりでなく、右各債権につき昭和三六年七月一九日東京地方裁判所において全額これを放棄する旨の裁判上の和解が成立し、しかも、右各債権は、昭和三〇年当時すでに回収しうる可能性がなかつたのであるから、昭和三〇年分の所得となしうる余地はなかつたものというべく、(ハ)なお、被告の指摘する同会社に対する元金二五〇万円、利息日歩二〇銭の貸金債権は、Aのものであつて、原告のものではない。したがつて、前記更正処分は、確定申告に係る課税所得金額二九万一、六六五円を超える限度において違法であるので、その取消しを求めるため本訴に及んだ
と述べ、被告の本案前の抗弁に対し、被告主張事実のうち、原告が被告税務署長の訂正指示に対し直接国税局長に審査請求をする旨強調して譲らなかつた点及び被告税務署長が東京国税局長に対し同局長に宛てた審査請求書を送付した趣旨が単なる事後処理の意味であつた点は否認するが、その余の主張事実は認めると答え、なお、本件につき、前第一・二審裁判所は、「被告税務署長は原告の東京国税局長に宛てた審査請求書を再調査請求書として取り扱い、所得税法四九条四項二号の規定によつて審査請求があつたものとみなされ、東京国税局長も審査請求として証拠書類の補正を命じた」旨を認定しており、それが爾後の手続に対して拘束力を有するのはもとより、右控訴審の確定に係る事実関係は、前第一・二審判決を破棄した上告裁判所が破棄の理由の必然的な前提事実として審判の対象としたものであるから、民訴法四〇七条二項但書所定の羈束力をも有し、事件の差戻しを受けた当裁判所がこれと異なる裁判をなしえないばかりでなく、当事者もこれに反する主張をなしえず、被告の本案前の抗弁は、その理由がないと附陳した。(証拠省略)
被告指定代理人は、主文と同旨の判決を求め、本案前の抗弁として、原告は、白色申告者であつて再調査請求をしないで直接審査請求をすることが許されて