行政訴訟の判決を読むなら…所得税更正処分取消請求事件(3)◇

◆S46. 2.23 東京地裁 昭和36(行)85 所得税更正処分取消請求事件(3)◇

いないにもかかわらず、昭和三一年一二月一八日東京国税局長に宛てた審査請求書と題する書面を被告税務署長に提出し、被告税務署長から再三にわたりこれを同税務署長に対する再調査請求書に訂正するよう指示を受けたが、あくまで国税局長に対し審査の請求をする旨強調してその指示に従わなかつたので被告税務署長は、右書面を適法な再調査請求書として取り扱うことができないものと判断し、事後処理の意味で、これを名宛人たる東京国税局長に送付した、ところが、東京国税局長は、証拠書類の補正を命じたのにそれに応じなかつたという理由で、審査請求却下の決定をしたが、もとより、このことによつて審査請求の前提たる再調査請求を欠く瑕疵が治癒されたことにはならず、右却下決定も念のための措置にすぎないものであるから、本件訴えは、所得税法(昭和二二年法律二七号、以下同じ。)所定の訴願前置の手続を経ていない不適法な訴えとして、却下すべきである。
もつとも、前第一・二審判決は、右書面は被告税務署長によつて再調査請求書として取り扱われ、国税局長もまた審査請求があつたものとして却下決定したものであると認定し、上告裁判所も、前控訴審の確定に係る右事実関係を引用して、審査請求書に証拠書類を添付することは所得税法四八条四項の方式と解すべきではないから、この点の補正をしなかつたからといつて審査請求を却下することは違法であり、したがつて、本件更正処分の取消しを求める訴えは審査の決定を経たものとして適法たるを失わない旨判示し、これと結論を異にする前第一・二審判決を破棄して事件を第一審裁判所に差し戻したのであるが、右事実関係は、上告裁判所が自ら認定した事実上の判断ではなく、したがつて、民訴法四〇七条四項但書所定の羈束力を有しえず、被告の本抗弁が右差戻判決によつてその主張を妨げられるものでないことは明らかである、と述べ、本案につき、答弁として、「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を求め、原告主張の請求原因事実中、原告が隅田交通から受領した約定遅延損害金の額及び右会社と大沢商事が昭和三〇年当時いずれも債務弁済能力がなかつた点は否認するが、その余の主張事実は認める、原告が昭和三〇年中隅田交通から支払いを受けた約定遅

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