行政訴訟の判決を読むなら…所得税更正処分取消請求事件(4)◇

◆S46. 2.23 東京地裁 昭和36(行)85 所得税更正処分取消請求事件(4)◇

延損害金は、貸付元金二六七万五〇〇円に対する日歩二四銭の割合いによる二三四万三、三〇〇円であり、また、原告は、同年中大沢商事に対しその主張に係る二口の約定遅延損害金のほか貸付元金二五〇万円に対する日歩二〇銭の割合いによる約定遅延損害金一八二万五、〇〇〇円の各債権を有しており、同会社との裁判上の和解によつて原告がこれら三口合計三三三万九、八二八円の債権を放棄したのは、債権回収の見込みがなかつたことによるものではなく、また、仮りに然らずとしても、該債権放棄による貸倒れの処理は、当該放棄のなされた昭和三六年分のものとして行なわれるべきであるから、原告には昭和三〇年中において合計五六八万三、一二八円の雑所得があつたものと認めるべきであり、したがつて、その金額の範囲内でなされた本件更正処分は、適法というべきであると、附陳した。(証拠省略)
      理   由
まず、被告の本案前の抗弁について判断する。
記録によれば、本件について、上告裁判所が前第一・二審判決を破棄して本件を当裁判所に差し戻した判決の理由において、「原判決によれば税務署長はこれ(東京国税局長を名宛人とする審査請求書と題する書面)を再調査請求書として、取り扱い、所得税法四九条四項二号によつて審査請求があつたものとみなされ、国税局長は審査請求として補正を命じ、応じなかつたという理由で却下したというのである」が、審査請求書に証拠書類を添付することは、所得税法四八条四項の方式と解すべきではないから、この点の補正に応じなかつたからといつて審査請求を却下することは違法であり、したがつて、本件更正処分の取消しを求める訴えは、審査の決定を経たものとして適法である旨を判示していること明らかである。
かかる場合、上告裁判所の判決で差戻しを受けた裁判所を羈束する効力を有するのは、右後段記載の法律上の判断の部分のみであつて、右前段記載の事実関係の部分は、それが法律上の判断の前提となつているとはいえ、該事実の認定自体の当否が上告審の判断の対象となつていないのはもとより、上告裁判所が自ら認定したものでもないので、右の効力を有するに由なく、また、差戻しを受けた裁判所においては実質上差戻前の口頭弁論の続行として事件の

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