◆S46. 2.24 大阪地裁 昭和46(行ク)3 行政処分執行停止申立事件(1)◇
査の上夫々適正額に御訂正を煩したく…」と記載されてはいるが、これをもつて右認定を左右する資料とはなしえず、他に右認定を覆えすに足る的確な証拠はない。
しかして、以上認定に係る事実関係のもとにおいては、原告が被告税務署長に提出した東京国税局長を名宛人とする審査請求書と題する書面は、本件更正処分に対し不服を申し立てる趣旨であること明らかであり、また、被告税務署長においても、これを受理したうえで訂正、補正を命ずる等再調査請求書として取り扱わんとする態度に出たとはいえ、前叙のごとく原告においてあくまで審査の請求をする旨を固執してその訂正に応じなかつたため、被告税務署長は、窮極的には、これを再調査請求書として取り扱わなかつたものであり、また、その取り扱わなかつたことについて違法を見い出すことができない以上、本件に対し適法な再調査の請求があつたことを前提とする所得税法四九条四項一号又は二号の規定の適用を受ける余地はなく、また、前記法則のもとにおいては、その後東京国税局長が前叙のごとく証拠書類の補正を命じこれに応じなかつたという理由で審査請求却下の決定をした一事によつて、適法な再調査の請求があつたとか、再調査の決定を経ないで審査の請求をした瑕疵が治癒されたとなしえないことも、疑いをいれないところである。そして、不適法な審査の請求を却下する決定が所得税法五一条一項の審査の決定に当たらないことは明らかであり、原告が本件更正処分に対して審査の決定を経ないことにつき正当な事由があつたものと認めるに足る証拠もないから、本件訴えは、所得税法所定の訴願前置の要件を欠く不適法な訴えというほかはない。
よつて、本件訴えを却下することとし、訴訟費用の負担につき行訴法七条、民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 渡部吉隆 渡辺昭 竹田穣)
◆S46. 2.24 大阪地裁 昭和46(行ク)3 行政処分執行停止申立事件◇