◆S46. 2.17 福岡高裁 昭和43(行コ)2 換地処分取消請求控訴事件(2)◇
じめその周辺の土地一帯は、本件土地区画整理事業による換地処分がなされて既に軒を連ねて建物が建ち並び、一大商店街を形成していることが認められるから、一審原告に対する本件換地指定処分が違法として取り消されると、その影響するところはひとり一審原告に対する換地のやり直しとなるに止まらず、換地計画全体の修正を余儀なくされ、その結果は、右の如く換地処分が適法であるとしてその換地上に形成された多数の第三者間に生じた法律関係及び事実状態をも一挙に覆滅し去ることにもなり、公共の利益に著しい障害をもたらすことは明らかである、云々と判示して一審原告の本訴請求を棄却した。
二、しかし、なるほど一審原告の従前の土地及びその周辺の土地は現在商店街を形成していることはそのとおりであるが、一審原告は、一審原告に対する本件換地指定処分が、その位置、間口、環境等において訴外A、B、C、Dのそれに比較し著しく不公平であると主張しているものであり、本件換地指定処分が取り消されたとしても、一審被告は、一審原告とこれら訴外人との間の不公平を是正すれば足り、本件換地指定処分を取り消すことによつて覆滅される法律関係や事実状態は小範囲に止まり、しかも一審原告及び右訴外人らの換地上の建物は殆ど木造であるから、換地指定処分のやり直しによつて生じるこれらの者の損害も又比較的僅少に止まるのである。
更に、換地指定処分の取消は、その性質上、その取消を求める被処分者のみならず、その他の者の利害に影響を及ぼすことは当然であり、しかも、違法処分を受けた者の損害も金銭で償えないものはないであろうから、原判決の如く言うならば、換地指定処分の取消にはすべて行訴法三一条一項が適用されることになり、違法な換地指定処分を受けた者は遂に同法による救済を受けることができないことになり、同法の目的は達せられないことになる。更に、本件換地指定処分が取り消されないとするならば、一審原告の犠牲において前記訴外人らが不当な利益を温存する結果となり、正義公平の原則に反することは明らかである。
結局、行訴法三一条一項を適用するのは、行政処分が違法であつてもこれを維持する公益上の必要が強く要請される極めて例外的な場合でなければならないのであるから