行政訴訟の判決を読むなら…執行停止申立事件(1)◇

◆S46. 2.22 東京地裁 昭和46(行ク)8 執行停止申立事件(1)◇

影響を及ぼすものでなければならないと解されるところ、本件において問題になつている国税徴収法第九六条に基づく公売通知は、税務署長が同法第九五条により公売公告をした場合において、滞納者に対しては最後の納付の機会を与えるため、抵当権者等の第三者に対しては公売参加の機会を与えるため、公売の日時、場所等公告すべき事項とほぼ同一の事項を滞納者等に通知するものにすぎず、従つて、右公売通知は、それ自体としては相手方の権利義務その他法律上の地位に影響を及ぼすものではないから、抗告訴訟の対象となる行政庁の処分ということはできないものというべきである。
なお、国税徴収法第一七一条第一項第三号においては、同法第一〇九条の随意契約による売却の場合の公売通知を、公売公告と同一にあつかい、これに対して異議の申立をすることができる旨規定しているが、右随意契約による売却の場合には同法第九五条の公売公告がなされないため、これに代るものとして設けられた規定であり、また右一七一条第一項第三号においては、公売公告から売却決定までの処分について異議の申立をすることができる旨規定しているが、その間のすべての行為につき異議の申立をすることができることを認めた趣旨ではなく、手続中の個々の行為が異議申立の対象となるかどうかは、処分性に関する一般論に委ねているものと解されるから、この規定を根拠に、公売通知の処分性を認めることはできないものと解する。
以上の理由により、公売通知は抗告訴訟の対象となる行政庁の処分には当らないと解するのが相当であるから、結局、原告の本訴請求は取消の対象を欠く不適法な訴というべきである。
よつて、その余の点について判断するまでもなく本件訴を却下することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 山田鷹夫 日野原昌 虎井寧夫)
(別紙物件目録省略)
◆S46. 2.22 東京地裁 昭和46(行ク)8 執行停止申立事件◇

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