◆S46. 2.22 東京地裁 昭和46(行ク)8 執行停止申立事件(2)◇
○ 主文
本件申立てを却下する。
申立費用は申立人の負担とする。
理 由
一、本件申立ての趣旨および理由は別紙(一)のとおりであり、これに対する被申立人の意見は別紙(二)のとおりである。
二、被申立人は課税処分と滞納処分とは別個独立の処分であるから滞納処分の執行停止を求めるためには滞納処分の取消しの訴えを本案としなければならないところ、本件申立ては課税処分の取消しの訴えを本案とするものであるから不適法であると主張する。
課税処分と滞納処分は前者が納税義務を確定する手続における処分であり、後者が確定した納税義務を強制的に実現する手続における処分である点で目的を異にする別個独立の処分であり、いわゆる先行処分と後行処分の関係に立つものでないことは被申立人の主張するとおりであるけれども、他面、滞納処分手続は課税処分手続の続行としてなされるものであることも否定できないから、課税処分取消しの訴えを本案として、当該税額の滞納処分の執行停止を求めることは、行訴法第二五条第二項にいう「手続の続行の停止」を求めるものとして適法というべきであつて、両処分が別個独立の処分であるとの理由をもつて本件申立てが不適法であるとの被申立人の見解は採用することができない。
三、ところで、申立人は右公売処分が執行され申立人主張の土地が他人に渡ることになれば、右土地のうちには公衆用道路に供された部分があり、また水槽タンクの設置等があることからこれをめぐつて紛争が発生することは必定であり、申立人は信用を失墜することになるから本件公売処分の執行によつて申立人は回復の困難な損害を蒙る旨主張するが、右事実は本件全疎明資料によつても認めることができない。
してみれば、本件申立ては行政事件訴訟法第二五条第二項所定の回復の困難な損害の点について疎明がないことに帰するからその余の点について判断するまでもなく失当というほかない。
四 よつて、本件申立てはその理由がないので却下することとし、申立費用の負担につき行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法第八九条を適用し主文のとおり決定する。
(裁判官 高津環 小木曾競 海保寛)
別紙(一)
申立の趣旨