◆S46. 2.22 東京地裁 昭和46(行ク)8 執行停止申立事件(4)◇
理 由
一、本件申立ては不適法である。
申立人は、公売処分の執行停止を求めている。
しかし、行政処分の執行停止を求めるためにはその行政処分の取消しの訴を提起することが要件とされている(行政事件訴訟法第二五条第二項)ところ、本件は、公売(滞納)処分の取消しの訴の提起がないのに、申立人は、これとは別個独立の処分である課税処分の取り消しを求める訴を提起したことを理由として、滞納処分としての不動産公売処分の執行停止を求めるものであるから、右申立ては不適法なものである。
二、本件公売処分の執行により、回復の困難な損害は発生しない。
(一) 本件の公売しようとする物件は、全て商品として分譲のため分筆したもののうち、売却できぬうちに被申立人により差し押えられた部分である。これら物件は本来売買の目的物なのであつて、かりに、本件物件が公売されることにより申立人が損害を受けたとしても、それは金銭によつて充分かつ容易に填補されるものであつて何ら回復困難なものではない。
(二) 申立人のいう豊田団地がいずれにあるか明らかでないが、申立人が分譲した日野市豊田所在通称くるみ団地には、市営上水道が埋設されて飲料水等として住民に利用されているのである。
申立人のいう水そうタンクは、六番二九にあるのではなく、六番壱と河川敷の境界辺上にあり、二、三の住民に利用されているが、飲料としてではなく、庭池用としてであつて申立人の主張するような重要なものではない。
(三) 六番参、六番参〇の二筆は、道路として利用されていることは認めるが、現況道路であるからといつて必ずしも換価々値がないとはいえない。
ことに、本公売においては、六番壱、六番参、六番弐九および六番参〇は、一括して公売することになつているのであり、かつ、袋地であるから、右道路を公売することにより他の住民に何らの影響を及ぼさないから、申立人の信用が損なわれることはない。
三、昭和四六年二月一〇日付公売通知書(公売公告第一五号)のうち、公売にかかる国税の額、昭和三九年度源泉税本税八八三、四五九円、加算税八一、六〇〇円と記載してあるのは、誤りであることは認める。
ただし、申立人はその余